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クリスタルメメント

詩を書きます。

ガラス張りの彼女に

運命に向けてあの人を投影する。影だけが存在する夜。あの子が羨ましいのは偽物の世界の住人になったからです。45億年前に出口はすべて消滅してしまいました。運命のそのあとに足を踏み入れた者は、賛美歌を破壊するしかなくなる。灰の薔薇の満ち足りた空想…

イラストレーション

夜に雨を重ねて、夜に星を重ねて、雨を星の光に変えて、ほかに何もいらない。ほかに何もない空間に憑依。ひとりだけで横たわる。そして集中豪雨。星の光に貫かれるのだ。

銀河泥棒

宇宙のどこかでひっそりと咲く花。それが発する音を聞いた。それは悲しげな未来に薫るマゾヒスト的な祈りとなって、ことばとなって、ここに記された。語られた嘘でさえ理解してしまえば何かの要約となってしまう。ずっと生きているきみの幽霊はことばの裏側…

消火器の抱擁

あらゆる場所で正確に降る雨。ぬいぐるみは待っている。人ひとり分の愛着障害を賭して。 やさしいわがままの治療のように秘密の鍵を合わせてみる。一粒の泡。背景を汚す微炭酸の雨が夜を遠ざける。 まだですか。もう少し。もう少し。 グミの歯車が宇宙の管理…

霊園製図法

蕾の上で結婚しました。万有引力を売ってください。定義は憑き物。弱さは落ちるのだ。無理数を告げる電気回路へと。偶然を配置する裁判官。病室に舌。唇には針を。空気すべての受け皿になる神経天文学は泣いていいよ。ヘビの解剖器具に相互作用を供して春休…

鴉と蟻のデザート

「あと何回死刑になりましょう?」 心臓の中の林檎を燃やして、呼吸に憑依する冷血さを皿に乗せる。靴に合うようにシンデレラをガラスに変えて、透明に塗りつぶしていく。人形になったぼくたちは永久に透き通って、記憶のままでおやすみを叫んだ。 後悔を過…

二度目の春、九回目の死で咲くショータイム

汚してもいいよ。だめになるよ。それがいいよ。せめてきみのネジを巻こう。ふたりでもひとりが怖い。おかえりの花が一輪。せめてきみのネジを巻こう。

腰リボンの中央階段から

夢を見た。誰もいない。また目を閉じる。黒一色にノイズ。気の狂ったパレードを見ている。日常をつよく欠席して冷蔵庫で休む。猫のペンキを剥いだ紫陽花。誰かの電気信号がない。また夢を目で隠す。騙されておはよう。殺すことはないよ。便利な神を手のひら…

風でめくる風景

濡れた葉書が空に羽ばたき、そこからまた文字の蝶が飛び立つ。その後に来る雨上がりでさえも絶対を故意に誤植するようにできている。確実なものはなにもない。 「みなさんも逃げたほうがいいですよ」 天と地の間の人たちに向けた最後の手紙は溶けて流れる。 …

グラスに沈殿する小部屋

色彩が健忘した見えるのに見えない空白包帯に擬態する不幸の天使 はじめまして高級な雷の被害者たち人格の区画整理言葉とは 精神的な臓器から滴る血液塗られた霊的なオブジェ本物でないすべてお気をたしかに 猫という天国増殖する言語から逃げた自己を置き去…

視界の前座

呪いのうさぎが風解する。その降霊的な花氷からひとつずつ手折られる色のない色素の一部分へとふらつくまでの条件反射は捕まえた幼馴染の封印の日からやわらかく凍結されている。 椅子の爪時間を考慮して途切れずに鋳造される空間のあえて芸術を気取るまでも…

枝先の花嫁

girl is dead から girl is god までは、2メートルにも満たない。 思想の3パーセントをのらねこに提供するまじない師のややペットショップじみた江戸しぐさが引き摺り下ろされるスカート及びスカートへの信仰を偉大なる死へと転居していつも似通った不在を永…

置き去りにされた会話

目配せをひとつ微笑みをひとつことばをひとつ相槌をひとつ孤独をひとつもうひとつ

氷ロザリオの融解

あやとりに捕まって上下する女生徒の胸元にさりげない流れ星のような雨が、ひとつだけ固形の粒で落ちてきた。ゆくゆくは思い出になる肌の感触へと懺悔して見つかったのは粉々に愛した事実だけでした。 「これから最悪の願い事をかなえようと思う」 女生徒は…

流れ星とクイーン

世界はまだ夢の中です。時間の結び目がほどけるように息と未来を殺して、咲かない花を愛でること以外に残されたものはありません。咲かない花の夢であるぼくたちにとっての夢の交差点はまた12月24日から永遠だけ離れていくのだから、ねがいごとはいま全部叶…

聖者の葬列

制服の中身をくりぬいた。何者でもないきみがいた。ぼくは映画に出れたかな。反作用の恋人は秋。昼と昼のあいだで生きる。見放された尾てい骨にフォルテシモの快感がさす。制服の抜け殻は生きる。線を引く。境界は白く、そこで泡がはじける。 線の向こう側か…

純粋接触のオブジェ

焼け焦げた人間のにおいが悠遠な雲として辻褄を合わせる午後の晴れてくる表情の後で音の雨が降ってくる。合法麻薬の主成分である寂しくなったうさぎが冷静になって言う。人格は水没して金魚に食べられていますよ。ふしだらな遠足で憂鬱を飼いならしたら、約…

桜密室をひらく

直感から白い雪が降ってくる。空気がきれいな街。街は自己分解をはじめる。あなたがたもそこに含まれていますよ。早くはじめてください。完全に透き通ってしまうまで。 「あそこでは雪だけが永遠なのよ」降り続く蛍の勤勉な怠惰さから棚ぼたする彼女の日常を…

迷子願い

霧と煙の重さを比べていたときの記憶を最後に、凍ったシャボン玉のなかに生き残ってひとり。あそこにたったひとりでいるぼくはかみさまでしょうか。それとも本物でしょうか。この世で一番素敵なリトマス試験紙の青を目指して雷鳴の抜け殻とともにすべて以外…

ねむりのちはれ

夢よりも深い落とし穴に落下した雨しずくが蒸発した瞬間、時間はどこかにいってしまった。天使はまだ円周率の牢獄を旋回している。結果として古くなった世界のぼくは自分のためだけにぼくとお別れして、いつまでもぼくたちは血管を流れる三途の川を渡ってい…

放課後の宇宙で

空は黒くなる仮説ですいつか見えなくなる仮説のぼくはまだ見えていますか空虚が充満する時間だよ部屋が思い出すここにはだれもいなかった直後きみとぼくが燃えました消えたものはありましたか?この無意味なフラスコから

真夜中、皮膚の下から

共同作業のくちびるから流れ星が発生したところで雨は重力を失ってキラキラの恩寵になった。秘密の行為を封筒にしまって、花散るだけの仮想世界をいっそうつよく、つよく閉じ込めた。さっきカラスが高所恐怖症になって落ちた地点からぼくの狂気の散歩につい…

花序解体

昼でも夜でもない処女の腹部から赤と緑の飾り付けを行う。月の樹海での単独パーティーの後で未完成の嘘をつく。ハッピーバースデイ。その日のことばは無力です。再会は輪廻の後日談として二千年後に予約してある。日記の中の乙女は遠くまで行けないのです。 …

複製禁止の恋人たち

首筋で夢を見る積極的な左側は面倒な表情を honey sweet にして着替え続ける。そのたび時間は巻き戻り鏡の感情は芽生える前の胎児を跡形もなく解毒する。 白紙の上で座っていることができないインクは領域の外へ駆け出す。こんにちはが人間を使って無くなっ…

一秒先まで

雲から降りられなくなった子猫が台風と共にカムバックするあたりで月の背後に素早く回りこむ暗殺者はあざとい生命を貫く敷金と花金のコンピレーションアルバムをまわして脱兎のごとく踊り込む夢を夢の中へ、眩暈の302号室へと……。 一回死んで理解した。感情…

犯人のいない悪意と組み合わせの偏り

桜の木の部屋に閉じこもる恋人たちに、ベッドのまわりに繁茂する終末の花たちはまだ終わっていない世界のピアノソナタを音もなく聴かせるだろう。 何もない空間に浮かび上がる木と、その樹洞に置かれたベッドと、その上で生き残ったヒトと、その隣で生き残っ…

光の行方

誘拐をひとつのオリンピック競技とするなら、死を持ち歩くだけで生命は輝く。心臓は走り、のらねこはまた死んでいる。皮肉でしか言えないありがとうの意味をねむい音符に詰め込んで、きみはきみの愛する人その他を焼きつくす光の孤独につつまれる。 波に崩さ…

devil in my head

世界であることの雨。憂鬱な雲を眺める穏やかな苦悩。明日を一滴、返却する。絵の中の老夫婦が告げる。 「自分が何者であるか、それだけを常に気をつけていなさい」 悪魔へ。

饗宴

幻像の森の奥で真夜中たちの呼吸が散歩する。集まった罪悪感が逆再生する花のドラマに忘却を飲ませる。 種子はすべてを知っていた。思い出は繰り返す。 「しあわせの麻酔を打たれてそのまま目覚めなければいいのに」というタイトルの夢を見る。見るという創…

石化する人間性

ゴミ箱から取り出した心理学では変態という用語で敗北を認める。「人間性のない人間をむしって地下の人魚部屋に隔離せよ!」と言いながら人魚と戯れる楽しみを知っている同志と難しい顔をして悦に入っていると、しばらくしてつまらないだけが取り柄の石像ど…

生まれてしまった最後のひとへ

1世界という舞台を自分が生きるのではなく、自分が世界の一部であると認識すること。 2それまで自分だと思っていたものが自分ではなくそれは単に物質世界を楽しむための道具であったのだと知ること。 3錯覚さえ解ければ不自由は見当たらなくなるのだと気…

エクリチュールオート#3

「かみさまはいないよ」って神がかった女児に言われたい人生の終わりに鳴るシャッター音が「ビューティフルに!」と歌い出すドラマ型統合失調症の口笛が曇りのち雨を予感して地下鉄に乗り込む間に、狂おしい魚が人間の口に飛び込むことで安らぎを覚えるのは…

反世界より

午後の朝 閉じる視界約束は古くなっていくよ ソファーに残る体温と感情だけは置いていくけど なにしてもいいからね 嘘になるならうわの空で夢見てる また一人で睫毛をくぐって逢いましょう 水晶体に rain あしたへと享楽する 反故の日々 死とナンセンス見え…

その人と迷子

朝に遭遇する。悪い夢のあとの孤独。カーテンと境界線を開ける。窓ガラスに雨。隔たっていいよ。思いは大切な人にだけ伝わればいいからね。 原因は結果のあとに見つかる。結論に向かう意思はない。言葉と嘘は同じものだった。わからなくていいよ。意味はふた…

蜂の巣たるじー

蜂からふんだくった蜜で稼ぐ人間からふんだくると違法だという蜜が探すふるさと蜂に帰りたい意識がどろり羽がないエイリアンかもしれない心で人間の脚を狩りる一人くらいいいだろいままでの報いだよ巣に至る蜜の凱旋声はなく居場所もない羽音がうるさい煩悩…

エクリチュールオート#2

少年は女であるメンヘラ病に騙された満月二度と見つからないようにエアガンで修復する統合を失った破片へと回復後ろ向きのサイケデリック「脳が物質である限り我々は存在しない!」無意識の泉溺れる者は問いを掴む「優しさとはなんでしょう?」<苦しみを選…

エクリチュールオート#1

ぼくらが生まれる前の前の年世界は一回死んでしまった八歳までの記憶を持って逆ユートピアへ行こう なにもかもが嘘で幽霊の仕業です鳥かごの中で遊ぶサカナのねずみです三角は視覚四角は錯覚みんな狂ってしまったよ 戦争が終わったつもりになって希望は一回…

被喪失者A/B

A人形は思い出を忘れたから、表情はひとつで充分。それでも生きているつもり。いつか世界に傷をつけてやるんだから、手首を見つめないで。わたしも生きているつもり。 無言電話。血が出るよ。声は出ないけど生きているよ。血を流すよ。生きているよ。 時間が…

それ

窓のない無機質な部屋で死後硬直が起こるまで口角を手で押さえて永遠に笑わせてあげた死体を真向かいの椅子に座らせて天井から吊るした花束とくたびれたクマのぬいぐるみの間でみずから手錠をかけておやすみなさいの首吊りをする女の子をずっと監視していて…

地下の青空

ともしびが徐々に世界を侵食していって気がつけばおびただしいほどの夜だ一人きりだからそれにはさわれなくてありふれた娘さんの夜をください 鳥籠がほしいような目をしてどこにでもいるような人です飛ばない理由がほしいから鳥籠に入りたがる人です そうい…

かくれんぼ

樹海の深くでかくれんぼ上手に隠れたみんなが首を長くして待ってる見つけてね腐る前に 薄暗いでこぼこの非日常息を止めたら幸せになる正しい有機物の循環意思を捨てたら完璧です 人が死ぬのに良いとか悪いとかあるんですかって聞きながら世界をまるごと汚し…

月蝕依存症

1ある種の特別な光は夜を眩暈に陥れる。「それが月蝕というものだよ」という声。ここには誰もいないから違う夜から声が届いたのでしょう。夜はすれ違いながら、まるでひとつの世界のようです。 2もう過去になった建物のなかに入る。伝わるあてのないポエト…

水晶無限世界

眼球の奥から一滴の海がこぼれて球形に歪みながら生命を生み出した 純粋窒素が冷却する空間朝が来ない夜に願いは持続しない景色は涙色に閉ざされて ちいさな声は震えながら向こう側を切望している 水と光が散らばってまばゆいほどの戯れ過度の浮遊感 呼吸さ…

集合的無意識の孤独

1「I'm not a doll」とだけしゃべることの許された人形が声を枯らすことなく音を発しつづけている。 2人が垂直に立っている際に、彼は世界に対して垂直なのではない。おまえとの関係が垂直なのだ。彼が死んでしまったならばそれ以後おまえは墓石なのである。…

Lily

不幸の帰り道に見つけた小さな花があなたでした。その根に含む微量の毒をなくさないように大切に育てました。毒こそが希望でした。 人間の姿を借りるときのきみはいつも決まって白いワンピースを着た可憐な姿です。それはきみがむかし殺された時の姿でした。…

援助交際

なにを拾っても悲しみに化けるいつの間にか取り囲まれているよもう見えるものしか信じないだからオバケと援助交際 相変わらずハッキリ見えないけどとりあえずかわいいって言ってあげる肌が透き通っているよってつけたすと本当っぽくなるこうやって人は人でな…

教会迷子

衣食住のセンスがないから生活をもうやめましょう教会ではきっと魔法が使えるからそんなものかみさまにやらせてしまえ しあわせは自由の反対だって語る老婆の目が生き生きしてる自分を抑えてこれで満足なんて絶対うそでしょ どんな慰めもここにはないよ不自…

後日談

靴がなくなるのは懐かしいからちょっとだけ死のうね好きなトラウマを集めてたのしいPTSDをつくろう 内面化した雑音が夢にまで現れてぼくだけの感覚で不幸が見れるよ周りにはもう笑う人もいないけど髪の毛を燃やして愉快だね 酸素みたいに息を支配しているた…

共依存

憂鬱がふたつ重なって誘惑が生まれたら後悔になるまであと少しだけどそれでもいいよね 作りもののフクロウが眠ってる場違いにかわいいからそのままだそれにまつわるストーリーでさえ思い出せないことにももう慣れた 約束だって踏み台にする未熟さが心地よい…

ビューティフルワールド

何気ない日々が続いて今日も手をつないで歩いてる不安も恐怖もどこにもなくなって何事もなく世界は崩れるよ やさしい人と星を待っていたら雪が降って夜がきれいになったすてきな気持ちに包まれて前触れもなく天地は消え去るよ 昔の写真を見て懐かしんでいる…