羊をずっと数えてる。
いつ本当に眠れるのだろう。
時計が集団自殺して長い生き方はもういらないんだと気づいた時の勢いで知らない女の手を引いて見つけた単発の夜に花火と人生を交換して一瞬の空になると本当の夜がそこから始まって、おやすみとさよならの間の明るい真夜中が続きのある物語のように優しくなった。それは宇宙がなくなった後に生まれた子供のように美しかったのでぼくが目覚めたかったのはこの朝だったのだと感じた。
時間だけが生きている変わらない世界で、世の中の大事なことだけを知らないような気がするのは、本当に大事なことなんてものがどこにもないからだ。もうだれかうみをつくってくれよ。
だけどまた風邪をひいてしまったし前髪は邪魔だから横になって目を閉じたのに、目の裏に保管してあった風景に含まれる素粒子のいくつかにきみの色が着いていてまだその姿が見えるから、再会のあとにさよならがあることを喜んで、処方箋代わりにその場限りの悲しみを提出して、それでいいやって
そんなことだから yes も no も拒否して手遅れの道をいくのだ。
羊をずっと数えてる。
代わりにはならないってはやく気がつけばよかった。