Crystalmemento

夜 / 骨壷 / 境界線

枝先の花嫁

girl is dead から girl is god までは、2メートルにも満たない。 思想の3パーセントをのらねこに提供するまじない師のややペットショップじみた江戸しぐさが引き摺り下ろされるスカート及びスカートへの信仰を偉大なる死へと転居していつも似通った不在を永…

置き去りにされた会話

目配せをひとつ微笑みをひとつことばをひとつ相槌をひとつ孤独をひとつもうひとつ

氷ロザリオの融解

あやとりに捕まって上下する女生徒の胸元にさりげない流れ星のような雨が、ひとつだけ固形の粒で落ちてきた。ゆくゆくは思い出になる肌の感触へと懺悔して見つかったのは粉々に愛した事実だけでした。 「これから最悪の願い事をかなえようと思う」 女生徒は…

流れ星とクイーン

世界はまだ夢の中です。時間の結び目がほどけるように息と未来を殺して、咲かない花を愛でること以外に残されたものはありません。咲かない花の夢であるぼくたちにとっての夢の交差点はまた12月24日から永遠だけ離れていくのだから、ねがいごとはいま全部叶…

聖者の葬列

制服の中身をくりぬいた。何者でもないきみがいた。ぼくは映画に出れたかな。反作用の恋人は秋。昼と昼のあいだで生きる。見放された尾てい骨にフォルテシモの快感がさす。制服の抜け殻は生きる。線を引く。境界は白く、そこで泡がはじける。 線の向こう側か…

純粋接触のオブジェ

焼け焦げた人間のにおいが悠遠な雲として辻褄を合わせる午後の晴れてくる表情の後で音の雨が降ってくる。合法麻薬の主成分である寂しくなったうさぎが冷静になって言う。人格は水没して金魚に食べられていますよ。ふしだらな遠足で憂鬱を飼いならしたら、約…

桜密室をひらく

直感から白い雪が降ってくる。空気がきれいな街。街は自己分解をはじめる。あなたがたもそこに含まれていますよ。早くはじめてください。完全に透き通ってしまうまで。 「あそこでは雪だけが永遠なのよ」降り続く蛍の勤勉な怠惰さから棚ぼたする彼女の日常を…

迷子願い

霧と煙の重さを比べていたときの記憶を最後に、凍ったシャボン玉のなかに生き残ってひとり。あそこにたったひとりでいるぼくはかみさまでしょうか。それとも本物でしょうか。この世で一番素敵なリトマス試験紙の青を目指して雷鳴の抜け殻とともにすべて以外…

ねむりのちはれ

夢よりも深い落とし穴に落下した雨しずくが蒸発した瞬間、時間はどこかにいってしまった。天使はまだ円周率の牢獄を旋回している。結果として古くなった世界のぼくは自分のためだけにぼくとお別れして、いつまでもぼくたちは血管を流れる三途の川を渡ってい…

放課後の宇宙で

空は黒くなる仮説ですいつか見えなくなる仮説のぼくはまだ見えていますか空虚が充満する時間だよ部屋が思い出すここにはだれもいなかった直後きみとぼくが燃えました消えたものはありましたか?この無意味なフラスコから

真夜中、皮膚の下から

共同作業のくちびるから流れ星が発生したところで雨は重力を失ってキラキラの恩寵になった。秘密の行為を封筒にしまって、花散るだけの仮想世界をいっそうつよく、つよく閉じ込めた。さっきカラスが高所恐怖症になって落ちた地点からぼくの狂気の散歩につい…

花序解体

昼でも夜でもない処女の腹部から赤と緑の飾り付けを行う。月の樹海での単独パーティーの後で未完成の嘘をつく。ハッピーバースデイ。その日のことばは無力です。再会は輪廻の後日談として二千年後に予約してある。日記の中の乙女は遠くまで行けないのです。 …

#000

「かみさまはいないよ」って神がかった女児に言われたい人生の終わりに鳴るシャッター音が「ビューティフルに!」と歌い出すドラマ型統合失調症の口笛が曇りのち雨を予感して地下鉄に乗り込む間に、狂おしい魚が人間の口に飛び込むことで安らぎを覚えるのは…

Lily

不幸の帰り道に見つけた小さな花があなたでした。その根に含む微量の毒をなくさないように大切に育てました。毒こそが希望でした。 人間の姿を借りるときのきみはいつも決まって白いワンピースを着た可憐な姿です。それはきみがむかし殺された時の姿でした。…

クリスタル crystal 結晶。 メメント memento 記念の品。形見。