Crystalmemento

夜 / 骨壷 / 境界線

消火器の抱擁

あらゆる場所で正確に降る雨。
ぬいぐるみは待っている。
人ひとり分の愛着障害を賭して。

やさしいわがままの治療のように秘密の鍵を合わせてみる。
一粒の泡。背景を汚す微炭酸の雨が夜を遠ざける。

まだですか。
もう少し。もう少し。

グミの歯車が宇宙の管理者に伝言を残す。
「またひとり壊れました」

お別れが済んだらまばたきは終わり。それがあなたのはじまり。
こんどこそ躊躇しないでください。

ぼくたちは発狂したぬいぐるみだよ。