「あと何回死刑になりましょう?」
心臓の中の林檎を燃やして、呼吸に憑依する冷血さを皿に乗せる。靴に合うようにシンデレラをガラスに変えて、透明に塗りつぶしていく。人形になったぼくたちは永久に透き通って、記憶のままでおやすみを叫んだ。
後悔を過去に縛り付けて、時間は煙に化けて面影がきみに生きる。
流れ星を束ねて花束にするんだ。
ふたつの問いが答えにならないように運命の距離を詰める。
愛に似た発音が響くときみは消えてしまった。文字による超常現象。ひとつづきの時間をつねってみてもだれもいなくて、うそみたいだった。
電話が鳴り続ける誰もいない宇宙で、きみに付けられた名前が運命と食い違っていたとき、標本の蝶を食べました。
主語がない家で孤独を手放すこと以上に危険なことはありません。
きみたちから頭部を取り除けばせかいはすこし美しくなるね。
どれもうつくしい嘘でした。
すべて記憶のなかのように歩けたら嘘つきもそのままで真実でした。
わからないのはきみたちが孤独になれないからです。
グラスに注いだ星たちを飲み干していまぼくが夜になろう。